![]() |
![]() |
Wiener Staatsopernchor & Wiener Philharmonker
(rec.1950 & 1951/9 S)
DECCA LONDON/POCL 7082(Japan)4CDs
DECCA/440 057-2(England)4CDs
![]() |
![]() |
![]() |
HUNT/CDLSMH 34040(Italy)4CDs
GOLDEN MELODRAM/GM 1.0003(Italy)4CDs
MUSIC & ARTS/CD 1014(USA)4CDs
![]() |
![]() |
KING SEVEN SEAS/KICC-2255/8(Japan)4CDs
ORFEO D'OR/C 462 974 L(Germany)4CDs

GOLDEN MELODRAM/GM 1.0029(Italy)4CDs
|
クナは、テンポの遅い指揮者だとよく言われる。確かに1940年代でもモーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の最終楽章のようにとんでもなく遅い例もあるが、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」はTAHRAがCDでリリースするまで、以前には知られていなかった演奏録音だ。 「クナのテンポは遅い」と言う一般的な評価は、WESTMINSTER盤でのワーグナーやブルックナーでの印象が中心になったものかも知れない。あるいは、ハイドンの交響曲録音か。「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲でも、WESTMINSTER盤はかなり遅かった。 ところが、オーケストラピースとしてではなく、全曲録音の前奏曲としては、4種類あるクナの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」演奏記録ではタイミングはバラバラだ。バイロイトでの1952年、1960年の演奏は遅く、1950/51年ウィーン、1955年ミュンヘンでの演奏はかなり速い。 小生、クナの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲を聞いたのは、KING SEVEN SEAS盤1955年ミュンヘンでの録音が最初だが、WESTMINSTER盤の遅い演奏を思い描いて構えながら聞いたら、その最初から肩透かしを喰ってしまった、と言う経験がある。録音年代云々よりも、「クナは遅い」という思いこみがあったためだ。 テンポの速い代表のように言われるトスカニーニには、1937年ザルツブルク音楽祭での「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲の演奏記録が残されているが、ここでのトスカニーニは、ゆったりとしたテンポで音楽を進めてゆく。トスカニーニはバイロイトで「パルジファル」を振っているが、その「パルジファル」は、バイロイトの「パルジファル」最長演奏時間記録(最近誰かが、その記録を破ったんだっけ?)だったのそうだ。残念ながら、そのトスカニーニの「パルジファル」の演奏記録は残っていないようだが。 クナの演奏記録を聞いてゆくと、こと「ニュルンベルクのマイスタージンガー」では年代的に晩年に近づくほど、テンポが遅くなっているわけではないようだ。特に1955年ミュンヘン・プリンツレゲントテアターでの録音は、何かに憑かれたようにテンポが速い。 ちなみに、トスカニーニの1937年盤、フルトヴェングラーの1943年盤、クナの4種類のほぼ同じ箇所での第1幕前奏曲のタイミングを計ってみた(トラック毎での計測も可能だが、トスカニーニ盤では幕が上がってからのかなりの部分が前奏曲に続いてトラック1に入っている)。
バイロイトでの演奏では第1幕前奏曲をたっぷりと、ウィーンやミュンヘンでは早め、というのは面白い対比だ。1950/51年年盤と1955年盤では、性急な第1幕前奏曲の展開になっていることは、このタイミングの比較からも分かる。 バイロイトでの演奏とその他の地域での演奏では、なんと1分近くも開きがある。その理由はクナにしか分からない。ワーグナーに浸りきるために来ているバイロイトの聴衆のためには前奏曲からたっぷりと聞かせ、ミーハーの多いウィーンやミュンヘンでは音楽よりも楽劇の展開のおもしろさに焦点を合わせたのかも知れない・・・というのはウソで、リハーサルを充分にできたバイロイトではゆったりと、リハーサルの時間が多くは取れなかったウィーンやミュンヘンではテンポを上げて切り抜けていった、のかも知れない(^^;。この辺りの想像は苦しいので、もうやめにする。 本当のところは、本編を聞かなければ分からないか(^^;。クナはその本拠地ミュンヘンでは、音楽監督に就任した1922年以降、かくもと思うぐらい頻繁に「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を振っている。Hans Knappertsbusch Concert Register,Composer Orderを見ていると唖然とするほどだ。 とにかく、クナはその年代に関わらず、状況に合わせてタイミングを変えていたらしいことが分かって面白い。 ちなみに、トスカニーニの1954年4月4日の管弦楽盤録音では9分21秒(MUSIC & ARTS)、フルトヴェングラーの1949年6月の管弦楽盤では9分39秒だった。
トスカニーニの演奏記録は、1937年という録音年代の古さとテープ劣化のための音の悪さを我慢すれば、これは素晴らしい演奏記録であることが分かる。録音マイクの位置の関係からか、楽器バランスが変な箇所はあるが、その晴朗なメロディの歌わせ方、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」への愛情と畏敬が素直に伝わってくる演奏である。意外や、非常に暖かみのある第1幕前奏曲だ。
クナ1950/51年盤
クナ1952年盤
クナ1955年盤
クナ1960年盤 「トリスタンとイゾルデ」なら、前奏曲を聞くだけでも、その演奏の全体像を想像することができるが、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、第1幕前奏曲だけ聞いていても、その全体像を把握できないことに気がついた(^^;。 次回から、本編に入る。 ただし、年代ごとに一幕ずつログをまとめるか、ひとつのログにひとつの録音を押し込めるか、まだ考えがまとまっていない。「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は長いんだし、聞きながら考えよう(^^;;;;。 |