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クナによる「ワルキューレ」からのスタジオ録音盤による管弦楽演奏盤や断片をまとめてみた。同じ録音の別CDがいやと言うほどあった(^^;。
順番としては「ラインの黄金」からだが、残念ながらクナにはスタジオ録音による「ラインの黄金」の抜粋は小生持っていなかった。
なおライヴでは、Koch Schwann盤ウィーン国立歌劇場時代のオペラ抜粋、ARKADIA盤1958年「ニーベルングの指環」全曲のおまけに収録されている1957年の断片などがあるが、まとめて別のログを立てようと思う。
ただし、1957年バイロイトでのライブからの抜粋がKING SEVEN SEAS/K30Y1036で出ているが、小生残念ながら持っていない。だれか譲ってくれ〜!
Walkürenritt
Berliner Philharmoniker
(rec.1928 S)
Deutsche Grammophon/POCG-2128(Japan)
Deutsche Grammophon/459 001-2(Germany)
Preiser/90286(Austria)
Archiphon/ARC 110/111(Germany)
Grammofono2000/AB 78678(Italy)
Iron Needle/IN 1330(Italy)
Urania/URN 22.127(Italy)
Classic D'or(CDO)/CD O1010(U.S.A)
「ワルキューレの騎行」にしては音楽はのどかである。馥郁とした味のようなものはあるものの、緊張感に乏しく、あまり書くことはない。オーケストラのワーグナー管弦楽曲集のショーピースとして録音されたが、まぁこんなものか。1928年に、クナはかなりまとまった量の録音を行っている。バイエルン州立歌劇場の音楽監督時代の録音で、まだバイエルン州での演奏活動をナチから禁止されていない頃の録音だ。
ドイツ・グラモフォンでは2種類のCDがあり、リヒャルト・シュトラウスやプフィッツナーなどの寄せ集め「Early Orchestral Recordings 1927-1943」(459 001-2)は針音は盛大だが、 クナ1928年のワーグナー集とプフィッツナーのベートーヴェン:交響曲第8番を収録したCD(POCG-2128)よりも高域はしっかりとしているようである。
Preiser/90286は、ドイツ・グラモフォン盤に比べて、微少SPの回転速度が速いようで、現代風のテンポになってしまっている。高域に偏った音で、少し聞きづらい。
Archiphon/ARC110/111は、ドイツ・グラモフォンやPreiser盤に比べてステレオ・プレゼンスがあり、低域もしっかりとしているため、針音はあるもののかなり聞きやすい音になっている。
Grammofono2000/AB78678とIron Needle/IN1330は同じソースからのCDだが、高域も低域も不足な分、実はこのSPの復刻ではかなり聞きやすかったりする(^^)。ステレオ・プレゼンスがほんの少しある。情けない音であるのは仕方のないところだが、ウルトラハイ上がりでもないし、低域がボンつくこともない。ナロー・レンジながら、繰り返し聞く気になれる音である。
URANIA/URN22.127は・・・、これは凄い!(^^)。音圧が最も高く、ステレオ・プレゼンスもあり、かなり迫力がある。Archiphon盤の低域にPreiser盤の高域をかぶせたようなワイドレンジの音だ。エンジニアに厚化粧された音ながら、1928年のSP板起しというより、1940年代の音と言っても通用しそうだ。あまり人には勧められないが・・・(^^;。
Classic D'or(CDO)/CDO 1010は、Grammofono2000と同じような音の傾向。ただ、このCDのマスターは、他のレーベルのコピーのようで劣化が感じられる。
8枚のCDを聞き比べてみた結果、復刻された音の傾向はかなり違うものの、ドイツ・グラモフォンの「Early Orchestral Recordings 1927-1943」と、Archiphon盤が一番良かった。
Walkürenritt
Wiener Philharmoniker
(rec.1953/5/6-7 S)
DECCA/440 062-2(England)
DECCA(Polygram)/POCL-4304(Japan)
DECCA(King Records)/KICC-2313(Japan)
Theorema/TH 121.125(Italy)
1953年5月6日から7日にかけてのDECCAのスタジオ録音。1928年盤に比べて、かなりテンポが遅い。スケールの巨大さは感じるが、残念ながらスタジオ録音の緩さはそのままだ。テンポは重く引きずるようで、かなり体格のいいワルキューレたちが重々しく空を圧するかのようだ(^^;。その分、オーケストラ盤スコアの再現は丁寧で、その辺りは聴き応えがある。後半部の引き延ばされたテンポには、思わず笑ってしまった(^^)。
DECCA/440 062-2は前面に砂埃のようなノイズが入っており、少し聞き難い。同じDECCAのポリグラム国内盤POCL-4304はその砂埃のようなノイズが軽減され、微細な音まで聞き取れるようで、線は細いがドイツ盤よりも良かった。
キング・レコードから発売されていたKICC-2313は、国内に輸入されていたテープからの復刻のようだが、これは低域がもろに当時のDECCAの音で、段ボールの中で鳴っている低域を感じ取れるが、実はポリグラム系統のCDよりも聞きやすかったりする。
色々不満の残る1953年盤だが、Theorema/TH 121.125は健闘している。音がすっきりしていて聞きやすい。
ポリグラム440 062-2に一番不満が残り、ポリグラム国内盤POCL-4304とTheorema/TH 121.125がなかなか自然な音だ。キング・レコード盤KICC-2313も、そのクセのある低域も含めて、国内盤LPを彷彿とさせ、懐かしい音で良かった。
"Der Männer Sippe"
"Du bist der Lenz"
Kirsten Flagstad
Wiener Philharmoniker
(rec.1956/6/13-15 S)
DECCA/458 238-2(England)
DECCA(King Records)/KICC-2106(Japan)
DECCA/468 486-2(England)only "Du bist der Lenz"
DECCAによるスタジオ録音。クナは1956年から1958年にかけて、さまざまな歌手とワーグナーの歌劇の断片をスタジオ録音しているが、その一環。翌1957年、フラグスタート、スヴァンホルム、ミルとウィーン・フィルで「ワルキューレ」第1幕のスタジオ録音を行っている。なお、この1956年の録音プロデューサーはカルショウではなく、ピーターー・アンドリーだった。
第1幕の"Der Männer Sippe(一族の男たちが)"と、"Du bist der Lenz(君こそは春)"の2曲が「ワルキューレ」から選択されいる。ただし、ボールドとのマーラー:歌曲集と、クナとのワーグナー:ヴェーゼンドンクの歌がメインのDECCA LEGENDSシリーズの468 486-2には、"Du bist der Lenz(君こそは春)"のみが収録されている。
"Wagner GALA"と題された458 238-2は実に素晴らしい音で、クナとウィーン・フィル、フラグスタートの歌唱を楽しむことができる。この断片を収録して、DECCAはカルショウのプロデュースによって「ワルキューレ」第1幕の録音を決定したのかも知れない。1947年に、スイス・ロマンド管弦楽団とほんの少し録音は残っているが、クナとフラグスタートの共演はそれほど多くなかったのではないか。クナとフラグスタートとの相性を確認したのだろうか。フラグスタートは全盛期を過ぎていたとはいえ、そのジークリンデは説得力がある。収録時間が短いため、クナの管弦楽は「もっと、もっと!」というところで終わってしまうが、愛情のこもった息の長いフレージングは魅力的である。弦楽器のうねりはさわりだけしか聞けないが、"Du bist der Lenz(君こそは春)"は続きをもっと聞いていたい気にさせられる。残念ながら2分半ほどの収録だ。
"Wagner GALA"ポリグラム盤458 238-2、キング・レコード盤KICC-2106とも、その復刻は悪くない。鮮度やDレンジはポリグラム盤458 238-2の方があるものの、キング・レコード盤KICC-2106の繊細な雰囲気も充分だ。
フラグスタートによるマーラーとワーグナー歌曲集468 486-2は、前述の通り"Du bist der Lenz(君こそは春)"しか収録されていないが、同じポリグラムの458 238-2よりもそのマスタリングでは成功している。実にドラマティックで艶やかなフラグスタートの声と、ウィーン・フィルの当時の弦の音が聞ける。
"Leb' wohl,du kuhnes,herrliches Kind!"
Geroge London
Wiener Philharmoniker
(rec.1958/6 S)
DECCA(King Records)/K35Y1010(Japan)
DECCA(King Records)/KICC-8405(Japan)
DECCA(King Records)/KICC-8935/6(Japan)2CDs
DECCA/UCCD-7046(Japan)
DECCA/DRF-3515(Japan)
ジョージ・ロンドンとの「ヴォータンの告別と魔の炎の音楽」のCDを整理していて、国内盤ばかりなのに驚いてしまった。海外でもリリースされたことはあると思うが、どうなってるんだろう?買い損ねたか!(^^;
キング・レコード盤が3種、ポリグラム国内盤が1種、「栄光の名盤コレクション 15」となっている何かの組み物のバラが1種手元にあった。
さっそく、キング・レコード盤から聞き始めたら・・・、イカン、その管弦楽の凄まじい響きに飲み込まれそうになってしまった(^^;。クナの管弦楽の威力はさすがに素晴らしい。いきなりフォルテシモで始まるからだが、否応なく「ワルキューレ」の渦の中に巻き込まれる感じだ。
1956年から1958年のバイロイト・ライヴを聞き慣れてしまうと、ホッターの凄まじい表現力とその貫禄が当たり前になってしまって、どうしてもジョージ・ロンドンと比較することになってしまうのだが、歌曲だと思って聞けばよいのだ(^^;。ロンドンは迫力ではもう一歩だが決して悪くないし、かなり聞きやすいヴォータンを歌って行く。感情の表出や切迫感は、楽劇の舞台での歌唱ではないので、どうしても割り引いて聞かなければならないのは仕方のないことだ。
ただ、ステレオでクナの「ワルキューレ」終幕が聞けるのだ。その思いっきりのいいフォルテシモやうねる管弦楽、愛情のこもったフレージングを聞いているだけでひじょうに満足できる。舞台での緊迫感はここにはないが、それ以上に安定した「ヴォータンの告別」だ。これを聞いて満足できないヤツは犬に食われろ!(^^)。
クナのフレージングは実に丁寧で、スタジオ録音の規範のような「ヴォータンの告別」が聞ける。ゆったりとしたテンポ、悲劇味が強い弦楽器、質朴として色彩感が豊かな木管楽器や打楽器群、魅力的な響きの金管楽器など、どこを切り取っても血肉となったワーグナーだ。そして、そのスケールの巨大さ!
これは、永遠の「名演」だなぁ。
キング・レコード盤の3種は同じ音である。小生、キング・レコードに甘い汁を3度吸われたことになるな、クソ。まぁ、マスタリングを変えたとか言うことはどこにも書いていないが・・・。キング・レコード盤の3種は実に素晴らしい復刻で、電気を消して暗くした部屋で聞くと鬼気迫るものがある。
ポリグラム盤は国内廉価盤だが、ロンドンの声質の粒立ちがよく、Dレンジ、Fレンジとも申し分がない。
「栄光の名盤コレクション 15」は何のシリーズか小生には分からない。ブックレットの中は真っ白で何も書いていない。それでも、ポリグラムのCDであることは間違いなく、音も素晴らしい。
結果、国内盤だけしかモニターできなかったが、どれを聞いても良かった。
参考文献
スタンダード・オペラ鑑賞ブック 4 「ドイツ・オペラ」下「ニーベルングの指環」 吉田 真著 音楽之友社
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