
画像の位置を今回から変える。
今回は地味にバロックなど。
フランシスコ・アントニオ・ボンポルティの「バイオリン・ソロのためのインヴェンション op.10(ネットでは、「ヴァイオリンと通奏低音のための10のインヴェンション」と書いてあることが多い)。
キアラ・バンキーニのヴァイオリン、イェスパー・クリステンセンのクラヴサン、ガエターノ・ナジッロのチェロ。
キアラ・バンキーニをチアラ・バンチーニだとずっと思っていたら、ネットで検索するとキアラ・バンキーニと読むのだそうだ。
このHARMONIA MUNDI盤、キング・インターナショナルが輸入をやめてしまったので、もう日本では入手しにくいのかな?
HARMONIA MUNDI(ここではFRANCE)は、けっこういろいろ買ったが。
ボンポルティなんて知っている人はどれくらいいるんだろう?と思うが、ボンポルティは小生が大好きなコレッリに師事、この「バイオリン・ソロのためのインヴェンション op.10」はJ.S.バッハにも大きな影響をあたえた。
音楽家であったが、聖職者でもあったのだそうだ。
これは2枚組だが、最初から最後まで地味ながらとっても素敵なアルバム。
哀愁を含んだ楽曲も少しはあるが、伸びやかなメロディで全体的には明るく幸福な音楽が支配する。
1996年の録音で、素直な音で大変すばらしい。
オーディオをやる人たちは、やれイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」で20Hzのバスドラの音が聞こえたとか、「カンターテ・ドミノ」のリミッターのかかっていない合唱とオルガンの響きや残響音が素晴らしいとか、TELARC盤「1812年」のアナログレコードだったら針が飛ぶような大砲の音が大好きだが、実は音の良い録音はLP時代からバロックやそれ以前の音楽の録音に多い。
優秀録音で故長岡鉄男氏推薦の多かったパニアグアなんてのは、バロック以前の音楽を、どうやって蘇らせるかの音楽だったし(あ、あれもHARMONIA MUNDIだったっけ)。
その他、多くの録音優秀なレーベルがひしめき合っていた。
理由は簡単、近代オーケストラや現代のピアノ、大きな合唱団の録音はダイナミックレンジやfレンジの差が大きくて非常に難しいが、バロックやそれ以前の楽曲は、独奏曲はもちろん、室内楽も楽器を絞り、オーケストラの音もそれほどダイナミックレンジやfレンジの差が大きくないため、録音しやすかったし、いい音で録りやすいという面があったといえる(大合唱曲の例外はあるが)。
ただ、バロックやそれ以前の楽曲は、楽曲に大きな特徴がそれほどないし、作曲家の個性が出にくいため、ロマン派の楽曲のようには大きく広まらなかったということはある。
バロックと言えば、バッハばっかりが目立つのは、「バロックとその前の時代代表」みたいなところがあると思う。
例えば、ヴィヴァルディは「四季」しか知らないクラシックファンが多いとしても、そういうものなのかもしれない。
とにかく、入手が難しくなってしまったHARMONIA MUNDIのボンポルティ、S.M.S.L PL200で聞くと、とっても素敵で素晴らしい。
小生のCDは再発で出たシリーズものだと思うが、シリーズ内の他のCDも買っておけばよかった。
しまった。
