1960年
1月6日 ミュンヘン、ドイツ博物館コングレス・ザールでミュンヘン・フィルと「公顕の日コンサート」。モーツァルト/セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、チャイコフスキー/「くるみ割り人形」組曲、ブラームス/交響曲第2番
1月9日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、リヒャルト・シュトラウス/「ばらの騎士」
1月17日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ワーグナー/「さまよえるオランダ人」
1月20日、21日 ミュンヘン、ヘラクレス・ザールでミュンヘン・フィルの予約演奏会。ブルックナー/交響曲第8番
カール・シューマンの「南ドイツ新聞」の評がマイヤー「ハンス・クナッパーツブッシュ~生誕百年に寄せて~」に紹介されている。
「ハンス・クナッパーツブッシュは8番を、彼に心服しているフィルハーモニーと幾度も演奏してきた。彼の音楽性にある内発性を考えれば、彼が何か固定された解釈の規範を基礎にしたりなどしなかったのは、明白である。常に「前とは違った」第8であり、なおかつ、常にクナッパーツブッシュの第8であった。ブルックナーのこの雄大な交響曲の最新の演奏では、デュナーミクは一層見通しよく、移行は一層滑らかに、そしてトロンボーンとテューバの響き全体は一層品位と厳かさを加えたように思われた。(…)ミュンヘン・フィルは、細部の意味を十分に弁え、また、表情豊かに雄大なテンポで荘厳な歩みを進め、紛れもないブルックナー交響楽団としての高度の資質を保持していた。演奏終了後、数秒あって割れんばかりの喝采となったが、聴衆の深い感銘の十分な証しである」(1960年1月27日、南ドイツ新聞)。
1月23日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ワーグナー/「さまよえるオランダ人」
2月13日、14日 ムジークフェライン・ザールでウィーン・フィルの予約演奏会。ワーグナー/「ジークフリート牧歌」、ブルックナー/交響曲第3番
2月15日から17日 ウィーン・フィルとDECCAスタジオ録音。この録音がクナッパーツブッシュのDECCA録音の最後となった。
2月18日 リンツでウィーン・フィルとコンサート。ワーグナー/「ジークフリート牧歌」、ブルックナー/交響曲第3番
リンツでウィーン・フィルを指揮したが、クナッパーツブッシュの体調とウィーンではカラヤンが君臨していたため、以後、翌年10月までクナッパーツブッシュはウィーンに登場することはなかった。
2月28日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、リヒャルト・シュトラウス/「ばらの騎士」
3月1日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ニコライ/「ウィンザーの陽気な女房たち」
3月12日 クナッパーツブッシュは72歳になった。
3月14日 ハンブルク、ムジークハレでハンブルク北ドイツ放送交響楽団のコンサート。ベートーヴェン/「コリオラン」序曲 、ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番(p:パウル・バドゥラ=スコダ) 、ベートーヴェン/交響曲第8番
- ベートーヴェン/「コリオラン」序曲 ハンブルク北ドイツ放送交響楽団
- ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番(p:パウル・バドゥラ=スコダ) ハンブルク北ドイツ放送交響楽団
- ベートーヴェン/交響曲第8番 ハンブルク北ドイツ放送交響楽団
4月7日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ベートーヴェン/「フィデリオ」
4月18日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、リヒャルト・シュトラウス/「ばらの騎士」
4月23日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ニコライ/「ウィンザーの陽気な女房たち」
5月6日から20日 パリ・オペラ座に客演。
- 5月6日 ワーグナー/「さまよえるオランダ人」
- 5月20日 ベートーヴェン/「フィデリオ」
6月9日バイエルン州立歌劇(摂政劇場)ニコライ/「ウィンザーの陽気な女房たち」
7月23日から8月25日 バイロイト祝祭音楽祭。
- 7月23日 ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
- 7月31日 ワーグナー/「パルジファル」
- 8月10日 ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
- 8月11日 ワーグナー/「パルジファル」
- 8月13日 ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
- 8月15日 ワーグナー/「パルジファル」
- 8月21日 ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
- 8月23日 ワーグナー/「パルジファル」
- 8月25日 ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
この年のクナッパーツブッシュの担当は「パルジファル」4回、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」5回。「ニーベルングの指環」をルドルフ・ケンペ、「さまよえるオランダ人」をサヴァリッシュ、「ローエングリン」をどちらも初登場のフェルディナント・ライトナーとロリン・マゼールが分け合った。マゼールの父親はロシア系ユダヤ人で、第2次世界大戦後のバイロイトではふたりめとなるユダヤ系指揮者を迎えた(一人目は前年のラインスドルフ)。
8月30日より9月1日、ミュンヘン・オペラ祭に参加
- 8月30日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ミュンヘン・オペラ祭。リヒャルト・シュトラウス/「ばらの騎士」
- 9月1日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ミュンヘン・オペラ祭。ワーグナー/「トリスタンとイゾルデ」
10月15日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、リヒャルト・シュトラウス/「ばらの騎士」
10月29日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ベートーヴェン/「フィデリオ」
10月31日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ニコライ/「ウィンザーの陽気な女房たち」
11月4日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ニコライ/「ウィンザーの陽気な女房たち」
11月13日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ワーグナー/「さまよえるオランダ人」
11月26日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ベートーヴェン/「フィデリオ」
11月30日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、モーツァルト/「魔笛」
12月5日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ニコライ/「ウィンザーの陽気な女房たち」
12月14日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ワーグナー/「さまよえるオランダ人」
12月20日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ベートーヴェン/「フィデリオ」
12月25日 バイエルン州立歌劇(摂政劇場)、ワーグナー/「ローエングリン」