カラヤン マーラー:交響曲第9番(ライヴ録音)を聞く

マーラー:交響曲第9番セッション録音のリリースからそれほど経っていない1984年頃、驚くべきニュースが飛び込んできた。
当時、CDはまだ黎明期で、それほどリリース量は多くなかった頃、カラヤンのマーラ:交響曲第9番ライヴ録音が、LPのリリースはなくCDだけの発売と言うニュースだった。
CDプレーヤー販売促進のための、カラヤンの方針だったのだろうか?
小生などは、当時はまだCDプレーヤーは高価だし、CDそのものもLPの2倍から3倍くらいの値段はするしで、CDプレーヤーもCDもまだ持っていなかったが、このニュースに愕然、ついにCDプレーヤーの購入を決意したのだった。
これ、嘘のような本当の話。
それだけ、当時のカラヤンの影響力は絶大だったし、ましてや大好きなマーラー:交響曲第9番のセッション録音の水準が高く、ライヴ録音ではどんなんなんだろう?と言う期待が大きかった。
好きな楽曲がCDでしか聞けないとなると、そういうことになるのだ。
今は録音データも公開されているが、Rec:1982.9.30ベルリン芸術週間でのライヴ録音ということになっている。
ということは、カラヤンのライヴ録音によくある、数日のコンサートからの継ぎ接ぎではないということか。
一発録りだったら、やはりこれは凄い。
既に何回か同曲をコンサートに乗せた後のライヴ録音なので、カラヤンはよほど自信があったのだろう。
セッション録音よりもさらにエモーショナルになり、その表現に戸惑いがない。
ベルリン・フィルも同曲の演奏に慣れたからか、いつものアウフタクトが強めのベルリン・フィルの響きになっている。
セッション録音は、もう少し各音符の演奏に慎重さが感じられたっけ。
ここでは楽曲やカラヤンの方向性をかなり知っている強み、豊かに自然に音楽が奏でられてゆく。
第1楽章から”なるほど、凄いな”で、聞き物はやはり第4楽章だろう。
やはりライヴ録音の強みと言うか、音楽が生きているように感じられる。
最近、この録音が逆にLP化されたようだが、値段が高いし購入は躊躇してしまうな。

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